わたしが写真を撮る理由



なぜ写真を撮るのだろう。
わたしが疑問に感じたのは数年前でした。
例えば、風景写真なんて先人たちがいくらでも傑作を残してくれていますね。 わたしは写真集でも見て、感嘆のため息を漏らしていればいいんです。
夫との新婚旅行は大きな喧嘩をして台無しだったのでは? 友人が企画してくれた誕生日パーティーでは、たしか料理に髪の毛が入っていて……
記憶はとても頼りないです。 そのことにある日、わたしは気がつきました。
新婚旅行では些細な言い争いはあったけれど、そんなことが吹き飛ぶ青い海がありました。 友人の料理は繊細で鮮やかな、見事な料理ばかりでした。
記憶は改変される。今の自分の心の在り処によって、いいものにも悪いものにも変えられてしまうのです。
写真をみます。 そこにある笑顔、ガッツポーズ、美しい料理、すべてわたしというフィルターを通さない真実です。
わたしが写真を撮る理由。 アルバムを残す理由。 それは当時の本当の世界を切り取ることなのだと考えています。


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